講演
市民健康講座
~激変する骨粗鬆症治療~
日時/平成25年6月15日(土) 14:30~16:00
会場/富良野市文化会館 2階 中会議室
1)骨粗しょう症について
演者/医療法人社団 かわむら整形外科 副院長 川村 大介 先生
2)骨粗しょう症の診断
演者/医療法人社団 かわむら整形外科 放射線科 藤田 大史 先生
3)骨粗しょう症に対する運動療法
演者/医療法人社団 かわむら整形外科 リハビリ科 丸井 陽輔 先生
4)骨粗しょう症の薬物療法
要旨
高齢化が進む現代社会において、骨粗しょう症財団の調べによると、骨粗しょう症の推定患者数は、今や国内で約1100万人(10人に1人は骨粗しょう症)と言われており、今後も増加の一途をたどり骨粗しょう症予備軍まで含めると2000万人に達する可能性があると言われております。今回は、『激変する骨粗しょう症治療』をテーマに市民健康講座を開催いたしました。
当日は、約60名の一般市民にご参加いただき、約1時間半に渡るご講演の中で、骨粗しょう症治療の診断、運動療法、薬物療法について、かわむら整形外科 副院長 川村大介先生を始め3名の講師から、実際の日常診療に基づき、わかりやすくご紹介いただきました。
はじめに、副院長 川村大介先生より骨粗しょう症の全般について、豊富な診療経験に基づき、病態や生活習慣病との関連性や骨粗しょう症を予防するにあたっての注意点などをご紹介いただき、続いて、放射線科 藤田大史先生からは、骨粗しょう症の診断・検査方法について、身体測定(身長と体重)、レントゲン検査、骨密度検査、MRI検査、検体(血液)検査、問診・診察などにより診断・検査方法を詳しくご紹介いただきました。
また、リハビリテーション科 丸井陽輔先生からは、骨粗しょう症患者さんが日常簡単にできる運動療法について、道具を使わない運動療法やゴムベルト、ダンベル等を使用した具体的な筋力トレーニング方法を紹介していただき、運動する習慣を身につけることにより、骨折しにくい身体つくりを目指すことの大切さを解説いただきました。
ご講演の最後には、副院長の川村大介先生より日本で使用できる薬物療法に関し、近年の治療薬の変遷、それぞれの薬剤の特性を詳しくご紹介いただき、薬物療法の進歩によって骨粗しょう症は治っていく可能性がある一方、骨粗しょう症の患者さんには治療効果の実感が少ないことから、途中で治療をやめてしまうことがある実態をご紹介いただきました。
閉会にあたり、楽しく健康的に生活していくために、骨粗しょう症の治療の継続により骨折を予防する事がとても重要であるメッセージが、ご参加いただいた一般市民ひとりひとりに向けて送られました。